A FUTURIST’s Blog

ある匿名の日本のFuturist(フューチャリスト)が独自のスタイルを確立するまでを綴るブログ。 当面は、限られた少数の読者を対象として、週一回程度のペースで更新する予定。

ドラッカー 「経済人」の終わり を読む その2

==>前回の記事で、ドラッカーの”「経済人」の終わり”を読みはじめました。なぜ、いまさら、ファシズムなのか?という疑問もあるでしょう。第2次大戦は、反ファシズム陣営の勝利に終わり、とりあえず世界に自由と平和が戻りました。そして、米ソ対立から冷戦構造の世界となり、その冷戦構造も崩壊したため、現在のグローバリゼーションとマネー流動時代になっているわけです。しかし、世界が、いつ、暗い混乱と未明の時代に入っていくかも知れません。ナチスが政権をとったとき、ドラッカーは、アメリカに逃避しました。われわれも、いつか、どこかの国(そのときは、アメリカではないかも知れません)へ逃避する日が来るかも知れません。

「経済人」のおわり  =要約=

第2章 大衆の絶望
ファシズム全体主義は、ヨーロッパにおいて、ブルジョア資本主義の秩序が崩壊し、マルクス社会主義があたらしい秩序をもたらせなかったために、発生した。
マルクス社会主義は本来の主張であるはずの”階級のない社会”を実現できないことが明白となり、失敗した。
そしてブルジョア資本主義体制における単なる反対勢力のひとつになりさがった。
マルクス社会主義は特権的中間層の問題を解決できない。
マルクスは、中間層の問題を解決できなかったため、「資本論」を完成させることができなかった。
マルクス社会主義革命が先進国で起きなかったのは,ブルジョア資本主義が、特権的中間層を生み出していたからである。
ロシアやスペインやメキシコにおいても社会主義革命のあとに、特権的中間階層が発生して、階級のない社会を実現を不可能にした。
(ヨーロッパでは、すでに、第一次世界大戦が勃発した日に、マルクス社会主義は、本来の意味を喪失していた。)
**
ブルジョア資本主義は、経済体制として、大成功した。
しかし、経済の成長と拡大は、社会的な目的を達成するための手段としてしか意味がない。
ブルジョア資本主義こそ、自由で理想的な社会を自動的に実現するための手段として利潤(利潤動機)を積極的に評価した、最初で唯一の社会的信条だった。(自由で平等な社会は、私的利潤を社会行動の最高の規範とすることでもたらされるとする)
しかし、ブルジョア資本主義の約束は、幻想にすぎなかった。
経済発展は平等をもたらさず、機会均等という名の形式的な平等すら、もたらさなかった。
そのかわりに、閉鎖的なブルジョア階級を作り出してしまった。
ヨーロッパにとって、希望だったアメリカ合衆国の存在も、1929年の大恐慌によるアメリカの崩壊は、ブルジョア資本主義への信頼に回復不能なダメージをもたらした。
**
ブルジョア資本主義もマルクス社会主義も人間を「経済人」と考えるが、もはやその概念は、崩壊した。なぜなら、、「経済人」であることが、自由と平等を約束できないからだ。
(ヨーロッパの基本概念は、自由と平等であり、キリスト教の秩序である。これは、また、ヨーロッパの歴史でもある。)
「経済人」の概念の崩壊によって、人々は秩序ある合理を持った世界観を奪われた
社会は、コミュニティではなくなり、孤立した群集となった。

(続く)









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ドラッカー 「経済人」の終わり を読む その1

経営思想家として、有名なドラッカーですが、彼が23歳、ヒットラーがドイツで政権を奪取したときから、書き始め、29歳の1939年に出版した、最初の本「経済人の終わり」を読むことにしました。
ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり (ドラッカー名著集 9)ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり (ドラッカー名著集 9)
(2007/11/16)
P・F・ドラッカー

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以前の記事(==>西欧近代資本主義の失敗から考えるアメリカと中国において、ヨーロッパが20世紀に2度の大戦を防げなかったために衰退したことと、現在のアメリカと中国の関連に触れましたが、ヨーロッパ近代資本主義と2度の世界大戦を考える際に、絶対避けて通れない、ファシズム(全体主義)の問題について、ドラッカーの名著をベースにして考えてみようと思います。
企業とか経営とかの研究を始めるまえの、若きドラッカーのみずみずしい分析が、古さを感じさせません。なにせ、ヒットラーの登場以前から政権奪取まで、を目の前で、生々しい現実として、目撃し、渦中の様々な人々とリアルタイムに直接話した経験をもとにしてるわけですから、論理展開にも血肉が通っているのを感じます。
ファシズムを革命だと断言し、秩序崩壊の閉塞状況における大衆の絶望が、ファシズムに政権を与え、資本主義もマルクス主義も、形式的民主主義であるがゆえに、ファシズムを打倒できないとするドラッカーの分析は、若者らしい大胆さと、切れのよい知性を感じさせます。

「経済人」のおわり =要約=

まえがき
ファシズム全体主義は、根源的な革命である。
ヨーロッパの伝統(自由)を脅かす、ファシズム全体主義に対抗する政治的意思
社会領域と経済領域に限定して分析する
ヨーロッパとアメリカは違う

第一章 反ファシズム陣営の幻想
共産主義は、革命勢力として、ファシズム全体主義に敗北した。(ファシズムが革命勢力となった。)
ファシズム全体主義に対する、無知と誤解が、ファシズムへの抵抗を弱めている。

ファシズム全体主義の本質は、人間の野蛮性や残虐性の発現ではない
ファシズム全体主義の本質は、ブルジョア資本主義の最後の悪あがきではない。
ファシズム全体主義の本質は、無知で、下劣な大衆へのプロパガンダの結果ではない。

ファシズム全体主義は、他のあるゆる革命と同じように、枠外からの革命であり、昨日までのすべての基本のすべてを変え破壊する。
革命に抗して勝利することができるのは、革命を革命として、認識し、その原因を正しく診断しえたときだけである。
しかるに革命の本当の原因、唯一可能な原因とは、価値観の変化、特に人間の本性と、天地
万物および社会における人間の位置という、最も重要な領域における価値観の根本的、根源的変化である。

ファシズム全体主義は、積極的な信条を持たず、もっぱら他の信条を攻撃し、排斥し、否定する。(否定が綱領である)
ファシズム全体主義は、ヨーロッパ史上はじめて、すべての古い考えを否定し、支配下の個人の福祉向上のための権力の正当化の必要性を認めない。(権力が自らを正当化する)
ファシズム全体主義への参加は、ファシズムの公約を信じないからこそ、支持される。(背理)

旧秩序の崩壊と新秩序の欠落による大衆の絶望
ファシズム全体主義は信条と秩序の代役に「組織」を充てることによって、問題解決のお守りにする。
ブルジョア資本主義やマルクス社会主義における形式的民主主義では、ファシズム全体主義の膨張を防ぐことはできない。「組織」の栄光を最終目的とする思想に対しては、自由と平等というヨーロッパの伝統を基盤とする新しい秩序をもって対峙しなければならない。

(今回はここまで)




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フランスの学歴エリート社会


前回の記事で、日本の天下りと学歴社会、エリート・システムについて、書いた。
そこで、すこし気になったので、外国の学歴社会、エリート・システムのうちから、学歴社会では、日本以上に強固といわれる、フランスのシステムについて、調べた。
フランスには、高等教育(つまり、日本の高校卒業後の大学などのレベル)として、英米流の大学(University)以外に、エリート養成学校的な、グランセコール(Grandes Ecoles )と呼ばれる学校群が存在する。大学は、大学入学資格(バカレロア)をとれば、誰でもどこの大学でも入学できるという普通の国民大衆のための学校で、グランセコールは、国家レベルのエリートの専門的養成のための特別な学校。
グランセコール入学のためには、猛烈な受験勉強が必要で、卒業後のキャリアは、上位校であるほど、特別な待遇が約束されている。グランセコール自体は、200校くらいあり、このうちの一部が名門校と言われている。入試自体もコネや家柄などが影響するとの意見もあり、公平性には疑問がある。
ちなみに、日産のCEOとして、リストラ再建に、手腕を振るった、カルロス・ゴーン氏は、理工系の超エリートのグランセコールのパリ国立高等鉱業学校の出身である。
ゴーン


また、文系のENA(フランス国立行政学院)は、官僚・政治家のほとんどが、ここの卒業生であるといわれている。ちなみに、現在のサルコジ大統領は、めずらしくENAの卒業でないことが話題になった。したがって、実際のところは、なかなか外部者がちょっと調べたくらいでは、真実はわからないのだが、グランセコールが絶対ではないものの、日本以上の学歴社会だという話も理解できなくはない。
また、フランスに天下りが存在するかどうかは不明。
フランスでは、このようなグランセコールによる社会的エリート養成の学歴社会の仕組みについては、国民が支持しているようである。
フランスでは官僚の天下りは、存在するのでしょうか?日本のように、既得利権化しているのでしょうか?フランス国民は、どう考えているのでしょうか?ゴーンさん、サルコジさん、教えてくれませんかね(笑)。あ、国会議員の片山さつきさんも国費でENA留学してるようですので、友達に聞いてみてくれませんかね(笑)。
ブログAuthorは、なんとなく、大統領が、何人も愛人を持ってても当然という国なので、天下りも当たり前だという話しかも知れないと思ってます。

こういうフランスみたいな国を見てると、先進国といっても、しょせんは、この程度のことだから、日本もいまのままでいいという考え方もありかなと思ってしまうところが、ちょっと怖い。

ブログAuthorは、Futuristとして、政府より企業、企業より個人(家庭)という民度の向上を重視しているので、ここで思考停止しないで、官僚制度や学歴社会とエリート主義、民主主義について、さらに考え続けたいと思います。










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「猿の惑星」化する伝統的大組織 その2 高橋洋一「さらば財務省」

ブログAuthorは、普通この手の扇情的なタイトルのついた本を買うことはないのだが、リンク先をはじめとする複数のブログで、意外な反応が感じられたので、購入して読んでみた。

さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白さらば財務省!―官僚すべてを敵にした男の告白
(2008/03)
高橋 洋一

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!!!
日本人の書いた本には、あまり引き込まれることはないのだが、これは、相当おもしろい。
小泉−竹中を中心に展開された、日本の財政構造改革のひと幕で、ぼやけてよく見えなかった部分が、くっきりと見えてきた。

         東大法学部出身者にあらねば、人にあらず

 といわれる旧大蔵省に就職した筆者(数学および経済専攻)の、驚くべき活躍ぶりとそれをとりまく、組織の行動。
日本の学歴社会の象徴、エリート中のエリートと言われる旧大蔵省(現在の財務省)が、すでに猿の惑星化(==> 前回の記事)していることが、淡々とレポートされている。
高橋氏の関与した数々の財政改革の社会的、業績的評価もこれから、行われていくであろうが、これだけの仕事をした人材を、一大学教授のまま、世間がほおっておくとも思えない。この本の内容をマスメディアが消化するにもしばらくかかるだろうと思う。
ブログAuthor自身も、すぐには、消化できない手強さを感じている。とは、言っても決して、難しい専門知識が必要なわけでもなく、誰でも読める内容になっている。
日本の未来を考えるためには、貴重な一冊である。
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EUのバローゾ委員長 インタビュー (追補)

前回の記事を若干補足する。

EUの人口は、5億人で、日本とアメリカ合衆国を足した数より、大きい。
グローバリゼーションに対しても、EUは一定の距離感を保ち、独自の主体的スタンスを明確にしようとしていたのが印象に残った。(日本とはかなり違う)
また、EUが拡大し、国際社会での存在感を増すにつれ、帝国主義的な方向への警戒感も生まれているが、バローゾ氏は、これに対しては、EUはオープンな社会であると強調していた。うーん、そーですかね、オープンですか(笑)。

日本は、20世紀後半に、欧米、欧米と言いながら、実際は、ほとんどアメリカ一辺倒だった経過もあって、ヨーロッパに対する理解や感性が、かなり鈍っていると感ずることがよくある。しかし、冷静に考えれば、アメリカや中国は、非常に特殊な国である一方、ヨーロッパの先進国は、経済レベルや文化的成熟度も日本に近い。また、ウォールストリートの考え方や、資本主義至上思想よりも、西欧の修正資本主義というか、資本主義の悪い面を制御・調整しながら成長していくというバランス型の考えかたのほうが、これまでの日本の考え方や感性に近いと思う。

もちろん日本の様々な集団や階層がこれからどういう方向性を持っていくのか不確実だが、ヨーロッパから学ぶことは、たくさんあるように感じた。

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