A FUTURIST’s Blog

ある匿名の日本のFuturist(フューチャリスト)が独自のスタイルを確立するまでを綴るブログ。 当面は、限られた少数の読者を対象として、週一回程度のペースで更新する予定。

EUのバローゾ委員長 インタビュー (追補)

前回の記事を若干補足する。

EUの人口は、5億人で、日本とアメリカ合衆国を足した数より、大きい。
グローバリゼーションに対しても、EUは一定の距離感を保ち、独自の主体的スタンスを明確にしようとしていたのが印象に残った。(日本とはかなり違う)
また、EUが拡大し、国際社会での存在感を増すにつれ、帝国主義的な方向への警戒感も生まれているが、バローゾ氏は、これに対しては、EUはオープンな社会であると強調していた。うーん、そーですかね、オープンですか(笑)。

日本は、20世紀後半に、欧米、欧米と言いながら、実際は、ほとんどアメリカ一辺倒だった経過もあって、ヨーロッパに対する理解や感性が、かなり鈍っていると感ずることがよくある。しかし、冷静に考えれば、アメリカや中国は、非常に特殊な国である一方、ヨーロッパの先進国は、経済レベルや文化的成熟度も日本に近い。また、ウォールストリートの考え方や、資本主義至上思想よりも、西欧の修正資本主義というか、資本主義の悪い面を制御・調整しながら成長していくというバランス型の考えかたのほうが、これまでの日本の考え方や感性に近いと思う。

もちろん日本の様々な集団や階層がこれからどういう方向性を持っていくのか不確実だが、ヨーロッパから学ぶことは、たくさんあるように感じた。

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EUのバローゾ委員長 インタビュー

4月24日にNHKのクローズアップ現代で、EU(EUROPEAN UNION)のバローゾ委員長のインタビューが放映された。
概略は(−>)こちらで。
いまや、EUのGP(総生産)は、米国のGDPを超えて、世界の30%。共通通貨のEURは、対米ドルで史上最高値を更新中。現在の加盟国は27国。
現在のリーダーは、ポルトガル元首相のバローゾ委員長。
印象に残ったのは、20世紀は戦争の時代で、ふたつの世界大戦がヨーロッパにとって、やはり決定的に大きな事件だったと語っていたこと。これは、

20世紀後半のヨーロッパの歴史は、ひとことで言ってしまえば、西欧近代資本主義の人類的成果を戦争によってだいなしにしてしまった悔恨とふたたび過ちを繰り返さないための秩序の構築

と考える(→)ブログAuthorの認識と同様だ。
もうひとつは、市場原理による経済成長は重要だが、決して万能ではない。それは維持可能なものでなくてはならないし、消費者の安全や労働者の権利を守らなくてはならない、と強く語っていたことだ。当たり前のようだが、アメリカや中国ばかり見ていると、ついつい、彼らの大国的発想につられてしまいそうになるので、やはり、EUや他の地域の意見も聞いたほうがいい。とくに、金融関係やIT関係をリサーチしていると、どうしても、アメリカ中心にものを考えるようになってしまうので、絶えず、自分で修正する意思が必要だ。
バローゾの意見は、アングロサクソン的な経済の考えかたからすると、社会主義的に聞こえるが、彼は、欧州人民党に属していて、ヨーロッパでは、保守派なのだ。(社会主義的なのは、欧州社会党)。
ジム・ロジャーズは、EUの将来については、参加国間の格差・利害対立が存在する以上、EUは成功しないと考え、あまり期待していないようだが、果たして、どう展開していくのだろう。
EUは、すでに、通貨を共通化し、関税を廃止し、政治や法律をも共有しつつある。国家的枠組みを超えて未来を構築していこうとするその強い意志の力には、敬服せざるを得ない。

=>(追補)へ続く
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斉藤孝の子どもへの視線

斉藤孝さんの「声に出して読みたい日本語」をたまたま、本箱から取り出して、見直していました。

声に出して読みたい日本語声に出して読みたい日本語
(2001/09/12)
斎藤 孝

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いまや、日本のオピニオン・リーダーのひとりとして、定着した感のある斉藤さんですが、さすがにこの本は、独自の視点と質の高さが心地よい、誰にでも勧めたくなる名著です。
斉藤さんの視点で、ユニークさを感ずるのは、日本語を音読することの価値を明確に指摘している点はもちろんですが、子どもへの、優しく、深みのある視線にあると思います。
たとえば、三好達治の雪 という詩について、

   雪

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

      (詩集『測量船』から)


  

....もともと神の領域に近い子どもという存在は、熟睡のなかで完全に神の領域に帰る。眠る子を見ていて飽きないのはそのためかも知れない。「太郎を眠らせ次郎を眠らせ」たのは、雪が象徴する重力という神ではないか。.....

と書いています。子どもが神の領域に近い存在だということは、子どもを身近で、観察していると時々実感することです。その感覚をうまく切り出すことは難しいものですが、三好達治の詩と斉藤さんの解説は、かなり高度なレベルでそれをやっているように思えます。
斉藤さんは、本業は大学教員のようですが、私塾を開いて、子どもを教えているようです。
彼のレベルは、大学教授のそれを完全に超えています。それは、実際に日々、子どもと生身で接しすることで、彼自身学んでいるからこそ、出てくる言葉であろうと思われます。

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「猿の惑星」化する伝統的大組織 その1

スタンリー・キューブリックが、1968年に監督・公開した名作2001年宇宙の旅
2001年宇宙の旅 特別版【ワイド版】2001年宇宙の旅 特別版【ワイド版】
(1998/11/01)
キア・デュリア

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と同じ年に公開されたSF映画 猿の惑星を久しぶりに、見直してみた。
猿の惑星 (ベストヒット・セレクション)猿の惑星 (ベストヒット・セレクション)
(2007/10/24)
チャールトン・ヘストン

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2001年にリメイクされているが、あえて、古いオリジナル版を選択した。
撮影場所は、アメリカ西部のLake Powellと言われている。
↓鳥肌が立つほど美しい人口湖パウエル
lakepowell

あらすじはこの程度で理解できる。
さて、本題に入ると、ブログAuthor自身の関係する組織も含めて、いわゆる既存の伝統的な、たとえば有名大企業とか、中央行政機関であるとか、一流大学とかの、世間的には、尊敬の目で見られたり、他のお手本であると思われていたり、といった大組織の実態が、限りなく、「猿の惑星」に近づいているように感じることが多くなった。ある意味で、種族の歴史を神聖化し、自分たちの文明を確立しているが、人類の知性の最先端は、実はもっとずっとさきのほうにあるはずであって、滑稽ですらある。そして自分たちの歴史と文明を守るために、真実から目をそむけている。真の知性を持つものだけは、その猿の社会のレベルの低さが分かるのだが、その社会を支配しているのは、最高の知性ではないのだ。
もちろん、猿とて努力や改善をしていないわけではないのだが、あまりに古典的な文化様式やステロタイプな思考パターンが、類が違うことを感じさせてしまう。
ここへ到って、われわれは、古い人類とそっくりな文明を持つ、類が違うものと、いまの自分の類と未来の自分の類を対比させて考えることになる。
これが、ブログAuthorの考える「猿の惑星」の出発点である。

ちなみに、主題とは関係ないが、「猿の惑星」オリジナル版で主役を演じた、チャールトン・ヘストンは、本日、83歳で死去した。また、「2001年宇宙の旅」の原案を作ったと言われているアーサー・クラークは、本年3月に、90歳で死去している。SF映画の名作を生み出したふたりの冥福を祈る。

続く

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