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ドラッカー 「経済人」の終わり を読む その1

経営思想家として、有名なドラッカーですが、彼が23歳、ヒットラーがドイツで政権を奪取したときから、書き始め、29歳の1939年に出版した、最初の本「経済人の終わり」を読むことにしました。
ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり (ドラッカー名著集 9)ドラッカー名著集9 「経済人」の終わり (ドラッカー名著集 9)
(2007/11/16)
P・F・ドラッカー

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以前の記事(==>西欧近代資本主義の失敗から考えるアメリカと中国において、ヨーロッパが20世紀に2度の大戦を防げなかったために衰退したことと、現在のアメリカと中国の関連に触れましたが、ヨーロッパ近代資本主義と2度の世界大戦を考える際に、絶対避けて通れない、ファシズム(全体主義)の問題について、ドラッカーの名著をベースにして考えてみようと思います。
企業とか経営とかの研究を始めるまえの、若きドラッカーのみずみずしい分析が、古さを感じさせません。なにせ、ヒットラーの登場以前から政権奪取まで、を目の前で、生々しい現実として、目撃し、渦中の様々な人々とリアルタイムに直接話した経験をもとにしてるわけですから、論理展開にも血肉が通っているのを感じます。
ファシズムを革命だと断言し、秩序崩壊の閉塞状況における大衆の絶望が、ファシズムに政権を与え、資本主義もマルクス主義も、形式的民主主義であるがゆえに、ファシズムを打倒できないとするドラッカーの分析は、若者らしい大胆さと、切れのよい知性を感じさせます。

「経済人」のおわり =要約=

まえがき
ファシズム全体主義は、根源的な革命である。
ヨーロッパの伝統(自由)を脅かす、ファシズム全体主義に対抗する政治的意思
社会領域と経済領域に限定して分析する
ヨーロッパとアメリカは違う

第一章 反ファシズム陣営の幻想
共産主義は、革命勢力として、ファシズム全体主義に敗北した。(ファシズムが革命勢力となった。)
ファシズム全体主義に対する、無知と誤解が、ファシズムへの抵抗を弱めている。

ファシズム全体主義の本質は、人間の野蛮性や残虐性の発現ではない
ファシズム全体主義の本質は、ブルジョア資本主義の最後の悪あがきではない。
ファシズム全体主義の本質は、無知で、下劣な大衆へのプロパガンダの結果ではない。

ファシズム全体主義は、他のあるゆる革命と同じように、枠外からの革命であり、昨日までのすべての基本のすべてを変え破壊する。
革命に抗して勝利することができるのは、革命を革命として、認識し、その原因を正しく診断しえたときだけである。
しかるに革命の本当の原因、唯一可能な原因とは、価値観の変化、特に人間の本性と、天地
万物および社会における人間の位置という、最も重要な領域における価値観の根本的、根源的変化である。

ファシズム全体主義は、積極的な信条を持たず、もっぱら他の信条を攻撃し、排斥し、否定する。(否定が綱領である)
ファシズム全体主義は、ヨーロッパ史上はじめて、すべての古い考えを否定し、支配下の個人の福祉向上のための権力の正当化の必要性を認めない。(権力が自らを正当化する)
ファシズム全体主義への参加は、ファシズムの公約を信じないからこそ、支持される。(背理)

旧秩序の崩壊と新秩序の欠落による大衆の絶望
ファシズム全体主義は信条と秩序の代役に「組織」を充てることによって、問題解決のお守りにする。
ブルジョア資本主義やマルクス社会主義における形式的民主主義では、ファシズム全体主義の膨張を防ぐことはできない。「組織」の栄光を最終目的とする思想に対しては、自由と平等というヨーロッパの伝統を基盤とする新しい秩序をもって対峙しなければならない。

(今回はここまで)




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